2016.6.6
近年は、新築マンションよりも資産価値の安定した中古マンションの人気が高まっています。
中古マンションの物件は、リフォームやリノベーションを施すことで、時代のニーズに合った快適な住まいになるため、堅実な生活設計を考える人たちに支持されているのです。
一般的な「リフォーム」とは、入居時の状態に戻す「原状回復」の意味合いが強いものです。
これに対して、近年注目されている「リノベーション」とは、間取りや設備の変更も含めた比較的大規模な改修工事を指します。
業者によって工事の種類の呼称は異なりますが、部屋を骨組みの状態に戻してから組み直す「スケルトンリノベーション」は、以前には無かった部屋を増設したり、配線や配管設備を新たに設置することで、より大胆な改築が可能です。
中古マンションの入居率を高めるためのリフォームやリノベーションを行う際は、ニーズの高い「収納スペースの充実」にフォーカスすることが重要です。
衣類や靴、本、雑貨、食器、季節外のレジャーアイテム、趣味のコレクション等々、持ち物の多い現代人にとって、住まいの収納スペースはなくてはならないものになっています。
そのため、収納スペースが狭い、使いにくいといった物件は、その理由ひとつでも入居者がなかなか決まらないことが多いのです。
昭和の時代までは、押入れが収納スペースの王者として君臨していました。
布団のサイズを基準に作られた押入れは奥行きが非常に大きく、それ以外のモノもとりあえず全部詰め込めるからそれで良し、という発想だったのです。
しかし、詰め込み収納が時代のライフスタイルに合わなくなり、使いにくい押入れは収納ストレスのもとになるとして、敬遠されることが多くなっています。
大きな押入れという「容れ物ありき」だったかつての収納に対し、現代の収納は、まず「収納したい・収納すべきモノ」に合わせて、使い勝手や効率の良い収納方式を考える発想が主流です。
奥行きが深すぎたり、扉の開閉がしにくい収納は、詰め込んだまま死蔵品になりやすいので、場所と用途にフィットするサイズやレイアウトであることがとても重要です。
大規模なリノベーションが可能な物件の場合は、押入れをやめて衣類の収納スペースとしてウォークインクローゼットを設けるケースが増えています。
大きな壁面がある場合は、「見せる収納」の代表格である壁面収納のスタイルもおすすめです。
テレビボードも兼ねる壁面収納は、本や雑貨、観葉植物などをディスプレイしながら収納するだけでなく、省スペースで空間を広く使うことができます。
現代人のライフスタイルを意識した収納スペースは、入居を決める際の大きなポイントです。
リフォームやリノベーションで収納スペースを重視することは、資産価値を大きく底上げし、入居者を獲得する近道となります。